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    掌のノート(写真詩)

    にのる氏の作品(写真)について

    にのる氏の写真はWEBサイトを通じて知り合ったお友達である氏から直接お借りしたものです。
    ご厚意により加工自由とのことでしたので、縮小や文字入れをさせて頂きました。
    にのる氏の作品にご興味のある方は、にのる氏の創作文芸サイト『IfeignDe@th』へどうぞ。

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    タイトル一覧 (スクロールで連続して見ることができます)
    「君に叫ぶ」 /  / 夕暮れ / 無意味 / タカラモノ / 問う / 言い訳 / 恋愛下手 / そうだったのか / 最後の夏 / ナキナガラ / 本当は / 高く高く / 斜陽 / 汚れた窓 / 翔んだ /  / 血脈 / 生は続く / ぼやけた世界 / 戦略 / ALIVE / 再会 /  / 事件速報 / 遠き島 / 放つ / 水の輪 / 人魚の呼び声 /  / 帰郷 / 勝ちに行く / 平穏の呪縛 / 街の空 / 夜に巣食う /  / 今は小さくとも / 踏襲せず / 人波 / 相談 /

    「君に叫ぶ」

    抱いていたものが 何だったのか

    少しだけわかった気がする

    痛い  
    痛い  

    鋭く尖った雪の結晶で  
    肌を突き刺す月光で  

    己の無力さが  
    たまらなく 痛い  

    夕暮れ

    ボタンを押す快感は
    引き金を引く甘さに似ている
    今は遠く離れた思考のせいにして
    優しい夕暮れのうたを歌う

    無意味

    過去の話なんか 寂しいよ
    今の話は 感じてるだけで十分
    未来の話は待って
    自由がきえてくから

         

    タカラモノ

    宝物だから  
    引っ越ししても整理なんてできない  

    毎晩 目を閉じるたび  
    どこにしまおうか 悩むんだ  

    この 思い出たち  

         

    問う

    流れることも 留まることも 僕は選ぶことができた
    あの時の選択は正しかったのか
    どうか教えてほしい

         

    言い訳

    僕は小さなガラス玉
    いつ転がり落ちるかもわからない
    君をじっと待ち続けることすら
    困難

         

    恋愛下手

    手にすくえば透明なその水が
    遠くから見る時 美しい景色となる
    あまり近づかないで見ている方がいい
    またフラれてしまうから

         

    そうだったのか

    そうだったのか
    ごめんね

    考えすぎたり
    言葉を呑み込んだり

    猜疑心と自尊心で 何もかもを跳ね返していた


    ごめんね
    夕食になる前に 仲直りをしようね

         

    最後の夏

    少し震えたのは 
    風のせいかな 

    始まったばかりの若い夏に 
    なんだか怯えているみたいだ 

    まぶしい光の反射のせいで 
    よく見えなくてごめん 

    君の顔は 
    まるで泣いているようだった 

         

    ナキナガラ

    泣きながら帰る
    きっと慰めてくれるだろう人の所へ
    ナキナガラ カエル
    ダキシメテ ホシイカラ

         

    本当は

    傍にいてくれたら それでいいよ

    ……て

    なかなか言えない

         

    高く高く

    高く高く見上げる空は     青く青く澄んで
    遠く遠く届かぬ君のような   赤い赤い花をただ羨む

         

    斜陽

    伝って落ちる太陽   
    弱音は吐かないと決めたのに   

         

    汚れた窓

    星の無い夜が来るんだ 風のない朝が来たみたいに

    曇っているのは瞳じゃなくて 真実を映す鏡でも無くて
    窓を拭かずにいるってこと 外の世界を受け容れようとしないこと

    でも でも 僕は怖いんだよ
    変わることが 失うことが 傷つけられることが

    だから窓は拭かないんだ たとえ
    君の顔が見られなくなっても

         

    翔んだ

    眼が眩むほどの光
    それは、友の軌跡

                  

    そろり、冷たい水に舞い降りた 
    白鷺はゆっくりと辺りを見回す 
    この心地よさを語らず 

         

    血脈

    赤く染まる手のひらに 息づく葉脈
    時が来れば 命は燃えるだろう

         

    生は続く

    流れるのではなく 弾ける
    ぶつかる、飛び込む、
    殴りかかる
    力の限り生き抜くのだ 

         

    ぼやけた世界

    輪郭の無いものばかり
    柔らかでいて 無意味

    そんなのは
    空だけでいい

         

    戦略

    君の長い睫がパチパチ
    きょとんとした目で微笑む
    意図的なの?
    僕の戦意を喪失させる

         

    ALIVE


    道も無い レールも無い  
    誰かの後を 着いていくことはできない  
    周りを信じ 自分を信じるだけだ  

         

    再会

    会いに来たよ 
    無性にその香りが懐かしくて 

    僕はあなたから旅立ったのかもしれないけど 
    ただ 
    話を聞いて欲しいんだ 

         

    池を覗くと魚の影がすぅっと動いた   
    なめらかで黒く美しい姿   

    人の存在など彼らには関係無いもの   
    ただゆっくり生きている   

         

    事件速報

    この空の下
    誰かは笑い、誰かは泣き、誰かは生まれ、誰かは死んでいる

    知らない場所で きっと一生行くことのない場所で
    誰かは笑い、誰かは泣き、誰かは生まれ、誰かは死んでいる

    わかっているけど

    胸を痛めてもしょうがないんだって
    お願いだからそんなことを言わないでくれ

    情報だけは素早く行き交うこの時代に
    右から左へ垂れ流しの心にはなりたくないんだ

    遠き島

    いつまでたっても 近づかない
    漕いでも漕いでも漕いでも
    届かない
    嘆き憂うは 君との距離

    放つ

    恋しくて泣き出して 滲んだ光の糸
    僕はその噴水を見ながら
    時間の放出を
    受け止められないでいた

    水の輪

    僅かな波を立てて
    水の輪は広がってゆく
    君と僕が出会うように
    輪と輪は重なってゆく

    人魚の呼び声

    雨上がりの街  

    遠くの海の響きと  
    風と雲の声が  

    湿った気配で  
    人を眠りに誘う  

    雲に隠れても
    強い光で僕らの目を奪う太陽

    一生懸命アピールしたって
    なかなか目立てない僕

    太陽ほどにはなれなくても
    身近な誰かを照らせるような

    そんなエネルギーが欲しいな

    帰郷

    沈む太陽が 眠い目を刺す
    長い時間 長い距離
    退屈な時を超えて
    それでも人は会いに行く

    勝ちに行く

    今日の弱さを笑い飛ばして  
    明日を見ている君  
    僕も真似してみよう  
    悔しさは忘れないまま  

    平穏の呪縛

    できるものなら
    雲の波に体を預けて
    広い世界へ

    街の空

    雲の歯車がカタカタ音を立てる
    吹き抜ける風が太陽を歪ませる
    子どもたちの声が大雨を誘う
    狂うような光に人は安堵する

    夜に巣食う

    見えない生き物が
    ゴロゴロと声をあげる

    僕に懐かないでくれ

    魔物のような
    後悔よ

    僕はいつの間にか手を伸ばしていた
    温かさに惹かれ
    君の微笑みに吸い込まれるように

    今は小さくとも

    硬く締まった蕾には
    明日が見えているだろうか
    誰もが美しく咲き揃う
    誇り高き未来を

    踏襲せず

    踏みつぶせ
    誰かが作った砂の城など
    私には関係ないのだ

    人波

    遙か沖へ泳ぎ出せば  
    強い波が君を見つけるだろう  
    向かわず  
    ただ乗りこなせよ  

    相談

    明日の天気も 夢の行方も
    相談したって変わりはしない
    でも この感じが好きなんだ

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